できることなら後悔はしたくない。『死ぬ時に後悔しない10のこと』や『結婚で後悔しない10のチェックリスト』な書籍は、未だヒットを飛ばすカテゴリで、経験を積めば積む人ほど『後悔』をできるだけ回避しようと思考を凝らす根底には、後悔はリスクだと、とらえている人が少なくないからである。

人は、誰に言われたわけでもないのに『後悔しないように生きろ』と教わってきています。なぜ後悔をしないように生きなければならないのか。今回は人間の感情の一つ後悔について解説。




1.後悔の大きさを測る方法

後悔とは

レストランで注文を終えたとき、隣の席の人へ運ばれた料理があまりにも美味しそうだったとき、次の二つの感情のうちあなたはどちらを抱く人でしょうか、

  • A『あっちを注文すればよかった』
  • B『次はあれを注文しよう』

Aの『あっちを注文すればよかった』を無意識に選んだのであればそれは『後悔』の気持ちでありあなたは後悔しがちなタイプかもしれません。人生には食事の注文にさえも後悔を感じてしまう場面はある。

後悔の大きさがわかる話

渋滞に巻き込まれた男が一人いるとして、彼がとても急いでいる理由がフライト時間が迫っているとします。

  • 渋滞に巻き込まれフライト時間に20分間に合わなかった
  • 渋滞に巻き込まれフライト時間3分のところで搭乗できなかった

この場合3分足りなかった時の方が後悔は大きい。このように人の後悔には大きさがあるわけです。

研究結果からみる人生で最も後悔する5つのこと

『人生で一番後悔することとは何なのか?』という疑問に多くの人が関心を持っていることで多方面で研究データが収集されています。例えば2016年ニューヨークの街中に「人生で、一番後悔していることはなんですか?」という質問がかかれた黒板を設置、道ゆく人が自由に書いていくという動画が配信され話題を呼びました。

▼NYの人に聞いてみた。「人生で、一番後悔していることはなんですか?」

後悔する上位5つを紹介しよう。

  • 教育|もっと違ったテーマを勉強すれば…
  • キャリア|A社に入社すれば…
  • 恋愛|別れなければ…
  • 子育て|教育のしかたが悪かったのか…
  • 結婚|この人と結婚しなければ…
  • 余暇の過ごし方|どう過ごすか

結果から見るに意外にも金銭的な内容のものは全体の3%にすぎない。一軒家を買うかマンションを買うかという悩みはあまり気にしなくてもいいんです、数年後にはどうでも良くなっているということが調査からくみとることができます。

2.後悔のない生き方など不可能な理由

『今日、なんで傘持ってこなかったんだろう』だとか『予約しておけばよかった』はたまた『もっと勉強しとけばよかった』『なんで言っちゃったんだろう』だとか、こんなことってしょっちゅうありますよね。人間が間違うことは多々ありますし、若さ余ってバカな選択をすることだってもちろんありうる。振り返れば一日のうちに後悔することは何度もあります。

人間にとって後悔のない生き方を送ることはかなり不可能。なのになぜ、後悔しないように生きろと教えられてきたのでしょうか?

3.『後悔する生き方』が必要な理由

『後悔のない生き方』と聞くと『後悔することは悪しきこと』と人は信じ込んでしまいます。実際に後悔の感情がマイナスだととらえている人は少なくありません。

後悔することが悪い理由

後悔することは、すでに過ぎてしまったことに嘆くこと。全くの時間の無駄で、人生は後ろ向きにならずに前向きにあるべきで、人間にできる最も良い生き方は後悔のない人生にするように努めることだ。—-引用:ジャーナリストキャサリン・シュルツの言葉

この言葉を聞くととても立派な考えで納得してしまいます。では次項の言葉と比べて見て違いを見つけてください、実はとても似ている考えなのです。

マクベス夫人が人を殺して落ち込む夫に言ったセリフ

後悔のない人生に努めること
取り返しのつかないことなど
考えて見たって仕方がない
終わったことは終わったことだ—-著作シェイクスピア『マクベスより』

マクベス夫人のように、人を殺したことに後悔を感じない人が実際にいたのならば、それは精神病と診断されます。それは人間らしくない感情だからです。

4.後悔を感じる脳のメカニズム

後悔は人間の感情の一つで、脳の神経細胞(ニューロン)の作用によって沸き起こります。後悔の仲間のような感情は他にもいくつかあり、怒り・嫉妬・悔しさ・寂しさ・孤独感・不安・自己嫌悪・罪悪感・虚しさなんかがそうです。

脳の一部に傷があるとこの神経細胞が遮断されこれらの感情を感じなくなり人道的な人格を持たない人間になります。初めから脳に傷がある場合もそうですがそれ以外でもこの感情を表す神経細胞が鈍くなる理由は4つ考えられます。

  1. 外傷による脳の損傷
  2. 体罰や言葉の暴力
  3. インスタントやレトルトによる栄養バランスが良くない食事
    ※栄養不足によるホルモン環境の阻害につながる
  4. 恐怖を妄想させる間違った情報伝達
    ※悪い子は医者に手を切ってもらうよなど

特に5歳未満の子どもの体験で上記のようなことが起こると後悔を含む感情が正常に脳内物質として送られず遮断されることがあるのです。4の食事は意外と感じるかもしれないが、肉類ばかりを食べる人は怒りっぽくなりますし、逆に食べない人は気力が低いなど感情のコントロールに大いに関係してきます。

健全な脳を持っているならば後悔をしない人生は不可能。後悔を感じられることは人間らしい人格である証明で、癒しきれない後悔の念は抱いていくしかないのです。では後悔とともに生きるにはどうしたらいいのかを考えていく必要があります。後悔を感じた時にある特徴からみていきましょう。

5.後悔をつくる4つの特徴的要素

①困惑

『どうしてあんな行動をとってしまったんだ』『一体自分は何をしているんだろう』『何を考えていたんだろう』と後悔する行動をした自分の中の何者かを切り離すような感覚です常に『?』がつきまといます。

②否定

後悔を思い出す時に一番嫌な気分にさせるのが『自分なんて消えてなくなれ』『消えたい』と自己否定をすることです。

③自分を罰したいという強い願望

『あの時の自分が許せない』と言った感情から後悔している人は自分自身に怒りを覚えている人が多いです。

④感情のループ化

後悔の記憶は波のように何十回も何百回も記憶の中に現れ消えてくれません。後悔の記憶とは『消えたい』と考えるのではなく、『消えたい、消えたい、消えたい、消えたい、消えたい』こう考えるのです。

後悔エピソードを思い出したことでちょっとナイーブになっていますか、では後悔の後に、あなたは何を見つけられているのか考えていくとせっかくの記憶も無駄にはなりません。

6.『後悔する人生』の先にある人生

後悔の先には『気づき』があります。思い出したことは失敗そのものではなく、自分次第でもっと良い結果を出すこともできるのだという可能性を知れることです。

時間は必要ですが後悔した自分と和解することでかなり気持ちは軽くなるはずです。後悔したことのある人間は本物の苦しみと悲しみを味わう分、人に優しくでき、精神的に強くなり、時にブラックジョークを理解できる面白みもついてきます。

これらは生きていく上で、とても大切な要素で、教科書で学ぶことが不可能な感覚です。大切なことは後悔しないで生きることではなく後悔する自分を嫌いにならないことなのです。

7.おすすめの本

 これからの「正義」の話をしよう|著者マイケル・サンデル

ハーバード大学史上最多の履修生数をほこる超人気哲学マイケル・サンデルの講義本。1人を殺せば5人が助かる状況があったとしたら、あなたはその1人を殺すべきか? など後悔しないための選択的思考の幅を一気に広くしてくれる珠玉の一冊。

マクベス|著者 シェイクスピア

シェイクスピア四大悲劇中でも最も密度の高いと言われる作品です。王位を失うことへの不安から次々と血に染まった手で罪を重ねていく話は、「善」と「悪」を考えさせられる今回の『後悔』のテーマをふさわしい一冊です。

8.まとめ

考えることをやめた人間の人生はある意味終わる。後悔することを考えることはその先の自分を変える可能性を含んでいます。『後悔しない人生』の本当の意味を知って癒せない記憶とともに共存することを選択してください。

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