「人生にとって最も大切なものは?」という問いに対して、どのような答えを持っていますか?

人によってはお金であり、友人や家族・仕事や趣味と回答するでしょう。どれもがその人にとっての正解です。 

どんな回答をする人でも、それぞれの大切なものを活かし、そこから得られるものを享受するためには、健康であることが欠かせません。

医学の進歩によって、お金があればある程度の怪我や病は克服できるようになりましたが、それでも医療に頼らない健康な身体でいることが望ましい。

幸せな人生を歩んでいくためには、健康が欠かせないのです。  

健康を維持するために注目したいのが、自律神経のバランスを整えること。本稿では自律神経(交感神経と副交感神経)の働きや整え方について紹介していきます。 

自律神経のバランスを意識して、あなたの人生をもっと楽しんでいきましょう。 

 

目次




1.自律神経について基本的な理解をしましょう 

自律神経という言葉をご存知でしょうか。循環器、消化器、呼吸器などの活動を調整するために働いている神経です。簡易な言い方をすると、生きていくために心身の機能を無意識のうちに調整してくれる神経のこと。 

例えばあなたが食事をしようと思ったとき。左手で茶碗を掴み、右手で箸を持ち、食べ物を挟んで口に運び、咀嚼しながら味わって、飲み込んでいきます。

それぞれ、自分の意識でコントロールしている行動です。対して無意識でも、心臓を動かし身体中に血液を送っています。

これは自律神経が心臓を動かしているから。先にあげた食事についても、口に運び飲み込むところまでは意識下での行為ですが、胃に収まり消化をしたり栄養を吸収したりするのは自律神経の働きによります。 

生きていく上で重要な働きをする自律神経は、2つの神経系で構成されています。ひとつが、身体の活動時や昼間に活発になる交感神経。もうひとつが、安静時や夜間に活発になる副交感神経です。この2つの神経は、それぞれ真逆の働きをすると理解しておきましょう。 

 2つのバランスを損なうのが「自律神経の乱れ」です。 不規則な生活やストレスによって自律神経の働きが乱れると、身体の器官にさまざまな不調が表れます。 

1-1. 交感神経は興奮状態に機能する  

自律神経のひとつ、交感神経の働きについて紹介します。交感神経と副交感神経は、それぞれシーソーのような状態です。どちらかが作用している時、もう一方の神経は働いていません。例えば以下の状態の時、交感神経が活発に働いていて、副交感神経は機能していない状態です。  

運動をしている最中には、人は一種の興奮状態にあります。心臓の拍動数が早くなり、汗が分泌される。このように身体が活発に活動している時に働く神経が、交感神経です。 

交感神経は俗に「闘争と逃走の神経」と呼ばれ、激しい活動の最中に活性化します。闘争=相手と戦う際、身体は緊張状態にあり鼓動が早くなります。

血圧は上昇し、相手の言動を見定めるために瞳孔は散大し、呼吸が激しくなるでしょう。同じように逃走する際にも、身体は興奮状態になり、闘争時と同じような変化が表れます。 

これは交感神経を興奮させる神経伝達物質として、アドレナリンやノルアドレナリンが分泌されることにより発生する変化です。

神経伝達物質について触れましたが、小難しい話はここまで。単純に考えると、闘争や逃走の状態にあるとき、心身は興奮状態にあることが理解できるかと思います。

動物の本能としても興奮状態にあるとき、つまり生命の維持において重大な局面におかれたとき、副交感神経の作用である栄養の吸収や身体のメンテナンスにエネルギーを割いている暇はないのですから。 

1-2. 副交感神経は身体のメンテナンスに作用する 

交感神経と反対の働きをするのが、副交感神経。例えば、睡眠中や食事中に働いています。

食事をする時、特別な事情がない限り気分を落ち着かせているでしょう。また睡眠中も身体を休めている状態です。このように心身が落ち着いている状態で活発に働くのが副交感神経。 

例を挙げて、具体的な働きを説明します。食事中は胃酸が大量に分泌されて腸の運動が活発になります。これは副交感神経が働くことで、食物の消化に必要な機能が活発になっている状態。

生命の維持に必要な栄養を摂取しています。交感神経と逆の働きですので、心臓の機能が抑制され脈拍は緩やかになっています。  

食事中や睡眠中に心身がリラックスして、必要な栄養を摂取したり身体のメンテナンスを行なったりしている状態。これが副交感神経の働きであることを覚えておきましょう。   

1-3. 自律神経のバランスが崩れるとどうなるか 

交感神経と副交感神経がバランス良く作用することで、人間は健全な生命維持を行なっています。2つの神経が状況に応じて、必要な機能を発揮しているのです。

しかし、ときには神経のバランスを崩してしまうことがあります。つまりは、交感神経か副交感神経のどちらかが、偏って活発になっている状態。自律神経のバランスが崩れると、心身に様々な影響を及ぼします。 

自律神経がバランスを欠くことで表れる、代表的な体調不良の症状は以下の通り。  

  • 眠れない(不眠症) 
  • 唾液の出が悪く、口が渇く 
  • 急に心臓がドキドキする動悸・不整脈 
  • お腹の張りや胃の痛み、下痢や便秘 
  • トイレが近く、何回もおしっこをしたくなる (頻尿) 
  • 異常に手に汗をかいたり、異常に多量の汗をかく(多汗症) 
  • 頭痛がする、頭が重い 
  • 筋肉に異常な緊張が起きる、肩こりと背部痛 
  • 体が重くてだるい 
  • 血行障害による手足の冷え 
  • いつも疲れている 
  • 微熱がいつまでも下がらない 
  • 食欲がない 
  • 朝起きるのがつらい 
  • 耳鳴りがする 
  • 憂うつで気分が晴れない 
  • わけもなくイライラする 
  • 集中力が低下する 

1-4. 自律神経のバランスが崩れる主な原因 

自律神経のバランスが崩れると、様々な身体の不調が表れます。では、何が原因でバランスが崩れてしまうのでしょうか。いくつかの理由が原因として考えられます。  

  • 理性と感情の葛藤 

自律神経をコントロールする脳の視床下部という機能があります。視床下部は、理性を司る大脳皮質と、感情・本能・欲望を司る大脳辺緑系と深い関わりのある組織。

本能や欲望が理性によって抑えられることで、大脳皮質と大脳辺緑系に「ひずみ」が生じ自律神経のコントロールが効かなくなるのです。  

「やりたくないけれど、仕事だから我慢をする」「食べていくために、自分の気持ちを我慢してやらなくてはいけない」という心の葛藤などが、上記に当てはまります。 

  • 交感神経が昂ぶり続ける(ストレス) 

不快な刺激が長時間続いたり神経的な負担が大きくなりすぎることによって、交感神経が常に興奮したままの状態となります。すると副交感神経が優位にならず、コントロール機能が低下した状態に。 

人間関係のストレスや、騒音など環境的なストレスが生じることで、交感神経が優位になり続けます。身体を休めていても副交感神経が優位にならないという、自律神経のバランスを欠いた状態になるのです。 

  • 生体リズムの狂い 

一般的に人間の自律神経は、昼間の時間帯は、主に交感神経が働いています。対して夜間の時間帯に、副交感神経が活発に働くようになっています。 

夜更かしなどで昼夜のリズムが狂うと、視床下部のコントロール機能が損なわれ自律神経の基本的なリズムの逆転が生じるのです。夜勤が多い仕事に就く人は、生体リズムが狂いやすく不調を訴えることが多くなります。現代では様々な仕事やサービスが24時間休みなく提供されるようになり、携わる人々も昼夜の区別がない生活を強いられることも原因のひとつです。 

  •  ホルモン分泌の影響 

自律神経をコントロールする視床下部は、ホルモン分泌による影響を受け易くあります。強いストレスを受けることで不快な刺激が視床下部へ伝わり、ホルモン分泌に変化をきたすのです。 

ホルモンは身体の機能を正常に維持する働きがあるため、分泌不良になると、自律神経も強く影響を受けバランスが乱されてしまいます。 

現代はストレス社会と呼ばれる通り、様々な要因によりストレスを感じる機会が増えています。その結果、多くの人が交感神経が過剰に働いている状態となり、自律神経のバランスを崩してしまうのです。 

2. 自律神経失調症の症状、うつ病との違い 

2-4で解説したような原因で、2-3に挙げた症状を訴える人が増えています。自律神経失調症という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。

実はこの自律神経失調症とは、正式な疾病名ではありません。

交感神経と副交感神経の働きのバランスが崩れることで、心身のホメオスタシス(健康な一定の状態を保とうとする恒常性)が損なわれ、心身に様々な症状が現れる病気の総称です。 

自律神経失調症は、ストレスなどが原因で心身に不調が現われる病気です。精神的な面にも症状が現われることから、うつ病と間違われることが多くあります。  

自律神経失調症とうつ病は、どちらもストレスが主な原因とされることは同じ。大きな違いとして、自律神経失調症はストレスが原因で自律神経のバランスが乱れて症状が現れることです。

対してうつ病は、ストレスが原因で脳内の神経伝達物質が分泌異常に陥り症状が現れること。自律神経の異常と脳の異常という違いが、それぞれの病気の根本的に異なる部分です。 

3. 自律神経失調症と関連する病名 

「自律神経失調症」は正式な病名ではありません。ただし「検査で異常がでなかったから自律神経失調症とする」というように、便宜的にこの名称を使う医師もいるようです。 

「自律神経失調症」とは「検査をした結果、症状の原因になる異常所見が見つからず、自律神経の機能障害によって、全身倦怠、頭痛などの不定愁訴を訴える状態」を指しています。

自律神経の機能障害により特定の臓器や器官に症状がある場合、下記のような病名がつけられるようです。 

  • 循環器系|心臓神経症、不整脈、起立失調症症候群(めまい、たちくらみ) 
  • 呼吸器系|気管支ぜんそく、過喚起症候群(過呼吸症候群) 
  • 消化器系|過敏性大腸症候群、胃・十二腸かいよう、周期性嘔吐、神経性嘔吐 
  • 内分泌系|恒常性機能亢進症、糖尿病 
  • 神経系|偏頭痛、緊張性頭痛、めまい 
  • 耳鼻科|メニエール病、動揺病(乗り物酔い)、咽頭部異常感 
  • 口腔外科|口腔乾燥症、口腔知覚異常、顎関節症 
  • 皮膚科|発刊異常、円形脱毛症、慢性じんましん 
  • 泌尿器系|神経性頻尿、過敏性膀胱、心因性排尿困難、心因性閉尿、夜尿症、心因性性異常 
  • 整形外科筋痛症 

4. 自律神経のバランスチェックリスト(ストレスチェック) 

 自律神経について理解が進み、ちょっと自分の身体が心配になったでしょうか。ここでひとつ、自律神経のバランスが正常かどうかをチェックしてみましょう。以下にある30個の問に、YES・NOで答えてください。 

  1. 風邪をひき易い、風邪が治り難い  
  2. 手・足が冷たくなることが多い  
  3. 手のひらや、脇の下に汗をかくことが多い  
  4. 突然、息苦しくなる  
  5. 動悸がする  
  6. 胸が痛くなることがある  
  7. 頭がスッキリしない  
  8. 頭の疲れを感じることが多い  
  9. 鼻がつまり易い  
  10. めまいを感じる  
  11. 立ち眩みする  
  12. 耳鳴りがする  
  13. 口の中が荒れ易い  
  14. のどが痛くなることが多い 
  15. 舌が白くなっている  
  16. 好物でも食欲を感じない 
  17. 胃もたれを感じ易い 
  18. 下痢や便秘になりがち 
  19. 肩がこり易い  
  20. 背中や腰に痛みを感じる 
  21. 疲れやすい 
  22. 疲れが取れにくい 
  23. ダイエットをしていないのに体重が減った 
  24. 寝起きが悪い 
  25. 寝つきが悪い  
  26. 夢をみることが多い 
  27. 夜中に目が覚めた後、なかなか寝付けない 
  28. 仕事へのやる気がおこらない 
  29. 人と付き合うのがおっくうになってきた 
  30. イライラし易い 

30問に答え終わったら、YESの数をカウントしてください。合計数によって、あなたのストレスの状態を判断します。 

1~5個/ストレスが殆どない:問題なし 

6~10個/軽度のストレス状態:自分で注意すれば回復 

11~20個/中度のストレス状態:本格的なストレス状態 

21個以上/重度のストレス状態:専門医の治療が必要 

こちらのチェックリストは、「SCL ストレスチェックリスト」とよばれるストレス状態を判定する質問項目です。日本大学の桂戴作氏と村松正人氏らが開発したもので、身体的症状に関する質問でストレス状態を判定します。ストレス状態にある=副交感神経が優位になりにくい状態ですので、自律神経に異常をきたす可能性があります。 

5. 自律神経を整える方法

自律神経は交感神経と副交感神経から成り立っており、両者のバランスを整えることが大切であることをお伝えしました。次に、自律神経を整える具体的な方法についてご紹介していきましょう。 

5-1. 副交感神経優位は健康や美容に良い 

副交感神経が優位になるのは、主に睡眠時やリラックス時。夜間の睡眠や食事中、入浴中などが該当し、身体の疲れを取ったり不調になりそうな部分を回復している時間です。マッサージを受けているときに、身体が暖かくなり眠くなることがあるかと思います。副交感神経が優位になり、筋肉が緊張を解き血管が広がることで、栄養や酸素、体温が全身に行き渡り身体の修復が行なわれるのです。 

この状態は健康にはもちろん、美容にも良いとされています。ヨガ運動中に心身ともにリラックスし、身体の調子を整えることで美容効果があることも、副交感神経の作用によるところがあるのです。 ヨガを試したことがない方は体験レッスンがある「ホットヨガスタジオLAVA」などを利用してみると良いでしょう。月額2,870円(税込3,100円)で通い放題なので負担もかかりません。

5-2. 副交感神経を優位にする方法 

副交感神経を優位にするには、リラックスした状態が重要です。同時に、交感神経を優位にする行動を慎むことで、自律神経のバランスが整っていきます。以下に、副交感神経にとって悪影響な習慣と解決方法の代表例を挙げてみました。  

  • 休日に昼過ぎまで寝ている 

体内時計のリズムを乱し、自律神経のバランスを崩すことにつながります。翌日以降、起床が辛くなり、昼間の眠気や夜の不眠の原因にもなりますのでさけましょう。自律神経のバランスを整えるためには、毎日同じ時間に寝たり起きたり、リズムのある生活を心がけることが大切です。普段と比べて1時間程度の寝坊はかまいませんが、昼過ぎまでダラダラ布団にいることは避けましょう。 

  • 湯船に浸からず、シャワーだけの入浴 

空調が効いている室内にいると、汗をかいて体温を調整する力が弱まります。体温調整する機能が低下するということは、自律神経に悪影響を与えているということ。湯船に浸かり汗をかくことで、体温調整の機能を鍛えることができます。お勧めは40度以下のぬるま湯にゆっくりと浸かり、汗ばむくらいまで我慢する入浴方法です。 

  • 運動不足 

運動不足は体温調整の機能低下や筋肉の緊張を引き起こします。運動不足から肩こりや腰痛などが発症することもしばしば。簡単なストレッチやウォーキングでかまいませんので、日常的に軽い運動を取り入れましょう。肩や肩甲骨を回すストレッチによって、滞りがちな血流やリンパの流れがスムーズになります。 

  • 睡眠前に布団の中でスマホをいじる 

スマホやパソコンの画面を見ていると、脳が刺激を受けることで交感神経が優位になります。またデジタル機器から発せられるブルーライトは睡眠障害の原因ともなり、不眠や睡眠不足を助長します。睡眠の1時間前には部屋の明かりを落とし、リラックスした状態で身体を休めましょう。 

  • 偏った食生活 

全身の組織をつくる源である、食事に注意が必要です。基本は栄養バランスの取れた食事を朝昼晩に分けて摂ること。糖質や脂質、塩分は多くとりがちなので、見直しが必要な人も。良質なタンパク質やビタミン、ミネラル、食物繊維、青魚や種実、オリーブオイルなどに含まれる良質な油を撮るようにしましょう。 

5-3. 毎日カンタンにできる副交感神経に良いトレーニング 

副交感神経を優位にするためのエクササイズを紹介します。毎日続けられるように、1分でできる、カンタンにできる方法だけを集めてみました。  

  • 歩きながら、家事や仕事と並行できる呼吸方法 

吸う:吐くを1:2のバランスにした鼻呼吸をしましょう。できるだけゆっくりと呼吸してください。重要なのは「吐く」ことを意識すること。「吸う」行為は交感神経を高め、「吐く」行為が副交感神経を高めます。普段よりもゆっくりと長く、鼻から息を吐くことに集中しましょう。  

  • 好きな音楽を聞いて副交感神経を優位に 

音楽を聞くという行為だけに集中してください。集中と言っても、自分の好きな音楽を聞くだけ。歌詞の意味を考えたり、特定の楽器の音を聞き分けるような聞き方ではありません。ボリュームに注意しながら、ヘッドフォンなどを着用して外界の音を遮断するのも良いでしょう。   

  • 首の柔軟体操で副交感神経を優位に 

首を左右にゆっくり回すだけの柔軟体操です。まず、頭を前方に倒して、左回りで一周します。続いて右回りに一周。この運動を、5〜10回繰り返してください。

首や肩の筋肉から緊張が解けて、血流やリンパの流れが改善します。デスクワークに就いている人であれば、仕事の合間に取り入れてみてください。   

  • 朝1杯の水で胃腸を目覚めさせる 

目覚めたら、コップ1杯の水を飲みましょう。空っぽだった胃腸が、水に反応して動き始めます。

胃腸が動き始めることで副交感神経のスイッチが入り、自然に便意が促されることに。朝の忙しい時間かもしれませんが、焦らずゆっくりとトイレを利用することも、心のリラックスにつながります。 

  • お笑い番組、漫画や本を見ることで副交感神経を優位に 

お笑い番組や漫画などを見ることで、心から笑ってください。笑うという行為には優れたリラックス効果があります。

様々な方法がある中で、最も即効性があると言えるリラックス方法です。笑うという行為によって、一気に副交感神経が優位になるのです。 

6. 症状が重い場合は病院へ 

交感神経を優位にする悪習慣と副交感神経を優位にするエクササイズを紹介しました。大切なのは日常生活でストレスを溜め込まないこと。

とは言えストレス社会において、ストレスフリーで過ごすことは非常に困難です。溜まってしまったストレスは、前述したような方法で消化していきましょう。 

交感神経の過剰使用の大きな要因は過度のストレスです。

代表的なものは働き過ぎ・心の悩み・薬の常用。何事も頑張ることは美徳で、休むことは良くないことだと考えてしまう人は少なくありません。

しかし生き物には、「休息と回復」の時間が必要なのです。 

筋力トレーニングを行なう時でも、1回トレーニングをしたら48時間の休息を摂ることが効果的というのをご存知でしょうか。

過度なトレーニングは筋肉を萎縮させ逆効果なのです。同じように、「頑張ること」を続けるよりも、適度に「休息と回復」を取り入れることが、健康な生活には不可欠。適度な休息を取りながら、ストレスから開放される時間をつくってください。 

それでもストレスが解消できない場合、もしくはチェックリストで21個以上に該当した方は、無理をせずに専門医の助言を得るのもひとつの手段です。 

不調が明確な身体の部位があれば、該当する専門医を訪ねてみても良いでしょう。あらゆる箇所に不調がある場合や、なんだが体調が優れないというケースでしたら、心療内科にかかってみることをお勧めします。近年は心療内科を訪れる人が増えていますし、通院についての情報が他人に漏れることはありません。 

放っておくと、「1-5-2: 自律神経失調症と関連する病名」で紹介したような重篤な病気に変わるリスクがあります。

少しでも心配があれば、病院に行ってみる。不安な状態で悩んでいることが、ますますストレスを抱え込むことになり、回復しにくくなってしまうのです。  

7.おすすめの本 

聞くだけで自律神経が整うCDブック (小林弘幸/アスコム/2014年) 

著者は、プロスポーツ選手や文化人へのパフォーマンス向上指導に携わる自律神経研究の第一人者。

ヒーリングとは異なる、医学的根拠をもとに作られたオリジナル音楽がおさめられている本です。体の不調やストレスを抱えている方におすすめの一冊。 

1日5分 副交感神経アップで健康になれる! 「首」にすべての原因があった (松井孝嘉/朝日新聞出版/2012年) 

自律神経を整える方法を「首」に着目して説いている本。10万人以上の首を治療してきた医師が提案する、手軽に始められるトレーニング法が詰まった一冊です。

「なんとなく体の調子が悪いな…」と感じている方に。 

美しいを引き寄せる「副交感神経」の意識 (小林暁子/ベストセラーズ/2012年) 

自律神経と腸内環境の視点から、女性が健やかに美しく生きる方法を紹介しています。便秘・ダイエット・不眠などに効くとして話題になった「セル・エクササイズ」も収録! 

8.まとめ 

健康な生活、美容の促進のためにも重要な自律神経のバランス。交感神経と副交感神経の基本的な作用について紹介しました。

自律神経がバランスを欠いてしまうことで、様々な症状を引き起こします。ここで紹介したチェックリストをもとに、自分のストレス度合いを確認してみましょう。 

ストレスが少なかった場合でも、簡単にできる副交感神経を優位にする方法を紹介していますので、日常的に取り入れてみてください。より一層、健康的で美容にもいい人生が送れるはずです。