意志を明確に伝えようとしなくても、相手が意図を察してくれることで通じてしまうケースが多い日本。自分の考えをしっかり伝えて納得してもらうことや、相手に要求をすることを苦手とする方も多いかもしれません。

そのためビジネスの場において、「なかなか相手がYESと言ってくれず先へ進めない」という壁に当たることは少なくないでしょう。

そんな時、あなたはどのように相手を説得しているでしょうか。感情に訴えかける? 理論武装で相手を言いくるめる?

それでも成功に繋がるかもしれませんが、少しのテクニックを使うだけで、簡単により良い関係性を築き、ビジネスを成功へ導くことができるとしたら、いかがでしょうか。

今回は、なかなかYESと言ってくれない相手を「説得」するテクニックをご紹介していきたいと思います。

目次




1.すぐに実践できる説得テクニック3選

まずは、知っているだけでいたる場面で使うことができる基本的な3つのテクニックを学んでいきましょう。

これらのテクニックを用いることで、説得のスキルを格段に上げることができます。

ビジネスの場だけでなく、日常生活の人間関係構築や恋愛においても応用させることができるため、非常に使えるテクニックです。

1-1.フット・イン・ザ・ドア

セールスマンが「片足をドアに入れることができれば、もう商品を売ったも同然」と考えるところからきている“フット・イン・ザ・ドア”。

小さな要求から徐々に進めていけば、本来の大きな要求も実現できる確率が高まる、というテクニックです。

一度要求を飲んでしまうと次の要求を断りにくくなるという人の心理を利用しています。

例えば契約を取りたい際、はじめは「1週間でいいのでサンプルとして使っていただけませんか」という要求を先にし、承諾を取ります。

1週間後サンプルを回収しに行く際に「このままお使いいただけませんでしょうか」と“契約”という本来の要求をする、といった具合です。

このテクニック、私たちの身近なところでも多く使われていることにお気付きでしょうか。

例えば、アパレルショップで「何かお探しでしょうか?」と声を掛けてくる接客です。まず客の口から直接「◯◯◯を探している」と言わせます。

次に「それでしたらこちらの商品がオススメです」と商品を渡しますが、客は自分で探していると言った手前「要りません」とは言えなくなってしまいます。

さらに「ご試着できますよ」と提案すると、客は「わざわざ提案してくれたのに断れない」と思うようになります。

試着だけなら…と試着をすると、外から「外の大きな鏡で見てみてくださいね」と声を掛けられますよね。すると、すかさず「お似合いですね。サイズ感もピッタリです。

これからの季節、色々着回せますよ」と畳み掛けてくると思います。 ここまで来ると、これまで承諾してきた小さな要求が積み重なっており、断ることができずに購入に至ってしまうというわけです。

基本的なテクニックですが、非常に強力な説得テクニックです。

1-2.ドア・イン・ザ・フェイス

先述した“フット・イン・ザ・ドア”の真逆のテクニックと言える“ドア・イン・ザ・フェイス”。

はじめにあえて大きな要求を行ない、相手が断った時点で本来の小さな要求を提示するという方法です。これは、断り続けることにより罪悪感が生まれ、「次の要求くらいは飲んであげよう」という心理を突くテクニックです。 例えば、100万円の契約を取りたい営業がいるとします。

顧客に対して見積を提示する際、はじめは「120万円でいかがでしょうか?」と少し多めの金額を提示します。

顧客が「それは高すぎて無理です」と断ったところで、「では、頑張らせていただいて、100万円でいかがでしょう」と本来の額を提示。

すると顧客は、「20万円も値引いてくれたから契約してあげようか」という心理になるというわけです。

これは、恋愛においても使えるテクニックです。 偶然出会った素敵な異性のメアドを知りたいとしましょう。

初対面で会話もろくにしていない場合、ストレートにメアドを聞いても断られる可能性があります。そこで、「デートしてもらえませんか」などと相手が断るであろう大きな要求をします。

しかし、断られた後がチャンス。「では、メアドだけでも教えてくれませんか」という本来の要求を提示することで、メアドを聞ける可能性がグッと高まります。

ここで注意したいのは、リアル感のある大きな要求を提示すること、です。

例えば、2万円の物を買ってほしいのに、20万円の物を提示してしまっては単にマイナス感情を生むだけです。

そうなると、もうドア・イン・ザ・フェイスは使えなくなってしまいます。 また、断られた後すぐにテクニックを使うことも大切です。時間が経てば経つほど、テクニックの効果は弱まっていきます。

1週間経つとドア・イン・ザ・フェイスの効果はほぼゼロになる、という調査も出ているほどです。スピードと要求の大きさに注意して使うようにしましょう。

1-3.ロー・ポール・テクニック

人の心理と脳の働きは面白いもので、一度要求を飲んでしまうと「自分が決めたことに沿わなければ」という気持ちになります。

後々、多少不利な条件が発生しても、その要求を受け入れてしまうわけです。

それを使ったテクニックが“ロー・ポール・テクニック”。 もう少し詳しく言うと、相手にとって不利な条件に触れず、受け入れやすい要求をし、要求を飲んでくれた後に本当のことを言うというやり方です。小さい要求からスタートし、徐々に要求を大きくしていく“フット・イン・ザ・ドア”と似ていますが、“ロー・ポール・テクニック”は、要求自体は同じで条件だけが変わっていくという違いがあります。 ビジネス上では、こんな使われ方をすることがあります。

1時間分の残業を頼みたい際、「ごめんね、30分だけでいいから残業をお願いできないかな?」と要求します。

「30分だけなら」と要求を飲んでもらえたら、「じゃあ、これとこれとこれとこれをお願い」というように、1時間分の仕事を頼む、というケースです。

一見、「騙し」に近い方法である“ロー・ポール・テクニック”ですが、ビジネス以外の様々な場面でも使われています。

気になるショップでセールが開催されているとします。「SALE」という貼り紙を見て、入店し、気に入った商品を見付けてレジに持って行くと、「こちらの商品はSALE対象外ですがよろしいでしょうか」というシーンに遭遇したことはないでしょうか。

レジでSALE対象外と言われても、ほとんどの方は断らずにそのまま購入したと思います。レジに持って行った時点でもう断れない状況になってしまっているためです。

このテクニックを使う際は、相手に嫌悪感を抱かせないようにすることがポイントです。偶発性を装い、相手に仕方がないと思ってもらうようにすることが必要になってきます。

2.説得力を上げるために知っておくべきこと

ご紹介した3つのテクニックを使えば、相手を説得できる可能性はグッと高まります。

しかし、それでは、“平均点”といったところでしょうか。簡単な説得であれば、事足りるかもしれませんが、ビジネスの場における複雑な説得では不足を感じるかもしれません。

そこで、さらに説得力を高めるために知っておきたいことをご紹介したいと思います。ポイントを押さえることで、大きな成果を得られるようにしていきましょう。

2-1.説得の確率を上げる方法 〜場づくり編〜

世の中に完璧な人間はいません。どんな人でも、心理的に“弱い”部分が存在します。その心理を上手くついた方法を利用することで、説得できる確率はグッと高まります。

そもそも説得は、相手が自分に好意的であるかどうかで、その成功確率は全く変わってくるものです。

であれば、相手の心理状態を少しでも好意的にすることは非常に有効と言えるでしょう。

相手に好意を抱いてもらうための「場づくり」のポイントは4つ挙げられます。 1つめは、「説得したい相手の居心地を良くすること」。

人間は居心地の良さを感じる時に、おおらかな気持ちになるため、説得を受け入れやすくなります。

例えば、座り心地の良い椅子や飲み物、食べ物を提供するなどです。 2つめは、「できるだけ相手の隣に座ること」。対面に座ると対立しやすく、隣に座ると仲間になりやすい、というデータも出ているそう。

ビジネス上ではなかなか難しいですが、プライベートで誰かを説得したいときは、相手の横に座ると良い結果に結びつくようです。 3つめは、「物理的距離感を縮めること」。

人に与える影響は、近いほど強く、遠いほど弱くなります。そこで、説得する際は相手に近づいて話すことがポイントです。電話ではなく、直接会って説得をする方が説得力が増すのも、この心理に基づいたものです。 4つめは、「位置関係に気を配ること」。

人は自分よりも高い位置にいる人には劣位を、同じ目線の人は対等な感情を抱きやすくなります。相手とどういう関係で話をしたいのかによって、目線の位置を変えることも有効な手段です。

このように、少しの工夫で相手の心理を動かすことができます。説得をする際には、効果的に使ってみましょう。

2-2. 説得の確率を上げる方法 〜話し方編〜

相手を説得しようと必死になりすぎると、どうしても熱が入りすぎてしまうもの。しかし、一旦考えてみてください。

あなたの話は相手にとって退屈な話になってしまっていないでしょうか。 いくら熱っぽく話をされても、退屈な話であればあるほど、相手は耳を貸してくれません。

例えば、出だしがつまらない話だったり、オチが予想出来てしまう話は、興味を持たれづらいでしょう。相手に話を聞いてもらうためには、まずは相手が食いつきそうな意外な話からスタートしてみましょう。

また、話し方にもポイントがあります。同じ内容でも、メッセージに重みがあるほど人の感情を揺さぶることができます。

例えば、「タバコは体に悪いからやめよう」と話をしても「そんなことは分かっている」と思われて終わりです。

しかし、「タバコが原因で病気になって、自殺してしまった知り合いがいる」と話すとどうでしょう。「え!? 自殺をするほど体に悪いの?

じゃあ、自分もタバコをやめようかな」という気持ちにさせやすくなります。 前者も後者も「タバコをやめてください」という説得に変わりはないのですが、体験談などを使ってメッセージに重さを出すことで、聞き手の受け取り方が全く変わってきます。

このように話し方に注意をするだけでも、相手を惹きつけ、こちらの話を聞いてもらいやすくなります。

2-3. 説得の確率を上げる方法 〜見た目編〜

人の印象の9割は、見た目で決まると言われています。もう少し噛み砕いて言うと、服装でその人のことが分かるとも言えるでしょう。

ナース服を着ていれば看護師だと分かりますし、警察官の服を着ていれば警官だとひと目で分かります。

これは極端な例ですが、清潔感がある格好をしていれば、それだけで信頼に繋がり、説得の際に大きな力を発揮します。

例えば、色をうまく使うのも有効な手段の1つです。一般的には、

  • 赤=パワーや指導力を感じさせられる色
  • 青=落ち着きや安定感を感じさせる色
  • 黒=しっかりとした意志を感じさせる色

などと言われています。 他にも、青緑は説得力のある色とされていたり、ピンク・オレンジなどの暖色系の色は人から好かれる色とされていたりします。

これらの色をうまく組み合わせて、視覚からも説得力を上げるアプローチをしてみましょう。

3.シーン別の説得テクニック

「説得に使えるテクニック」と一口に言っても、シーン毎に有効な説得のテクニックは変わってきます。

そこで本章では、ビジネスにおける主なシーンである「プレゼン」、「商談」、「上司の説得」という3つのシーン別に、使えるテクニックをご紹介したいと思います。

ピッタリの場面に遭遇した際に役立つテクニックですから、ぜひ活用してみてください。

3-1.プレゼン

“ビジネスのスタート”と言っても過言ではないプレゼン。伝えたいことを伝えたとしても、なかなか真理を理解してもらいづらい場であり、相手を説得するハードルは高めと言えます。

しかし、説得力のあるプレゼンができれば、その後の仕事もスムーズに進むはず。プレゼンの説得力を高めるために、4つのポイントを押さえておきましょう。 1つめのポイントは、「例え話を使って理解を深める」。

プレゼンの内容が専門的であったり、相手にとって馴染みが薄い話だったりする際、例え話を用いて伝えることが非常に有効です。

馴染みのある例え話をすることで、相手の理解度がグッと高まります。 2つめは「事例・具体例を用いる」。

例え話に似ていますが、これはまた違った角度から理解の促進を促してくれる方法です。

例えば、連続録画時間の長さが売りとなっているビデオカメラがあったとしましょう。単に「連続録画時間が長いです」と言っても、「ふーん」で終わってしまいます。

しかし、「お子さんの運動会の時、せっかくビデオを構えていても充電が切れてしまった…。こんな悲しいことはありませんよね。そこでこのビデオカメラです。運動会の前夜から朝まで充電すれば、なんと連続8時間の録画・再生が可能。

運動会の間、常に電源を入れたままにしていても充電は切れません。お子様の勇姿を取り逃す心配もありません」と事例・具体例を混ぜて説明してみるとどうでしょう。

簡単に説得力を上げることができます。 3つめは、「データや数字を使う」。プレゼンで数字やデータを使う際は、「大きい数字だ」もしくは「小さい数字だ」のどちらかを認識してほしいために使うことがほとんどです。相手にどう思ってもらいたいかを考え、効果的に数字・データを使うことで、相手の感情を操作することができます。

4つめは、「口コミを取り入れる」。自社の商品を社員であるあなたが褒めちぎってオススメするよりも、実際にその商品を使っているユーザーが「この商品を気に入っている」と言ったほうが説得力があります。

ネット上で口コミサイトが流行っているのも、この心理が働いているためです。

しかし、プレゼンの場にユーザーを連れてくることは難しいですから、「ユーザーから◯◯◯◯◯◯◯という意見をいただいています」と紹介してみましょう。

これらの4つのポイント混ぜることで、プレゼンの説得力をグッと上げることができます。

3-2.商談

商談時に注意したいのが、「議論をしないこと」。人は、相手を説得しようとすればするほど理詰めで持論を展開しようとします。

そうしているうちに議論に発展、正論を振りかざして相手を言い負かしても、お客様が「NO」と言ってしまえば、商談に負けたことになってしまいます。

そこで、「MET理論」というテクニックを上手く取り入れることをオススメします。 METとは

  • 「Melit(メリット)」
  • 「Emotion(感情)」
  • 「Treat(脅し)」

の頭文字を取ったもの。

この3つの要素を駆使していく交渉テクニックです。 まずは、「Melit」。お客様は思っているほどこちらの提案のメリットを理解してくれていません。

そのため、商品のメリットを再確認して刷り込む作業は、やってもやりすぎることはないのです。出来る限り、さまざまな角度からメリットを提示し、納得性を高めていきましょう。

次に「Emotion」。より具体的に言うと、“泣き言”を言って、こちらの事情を理解してもらい、これ以上無理を言わせないようにするテクニックです。例えば、「もっと値引きしたいのはやまやまなのですが、そうするとウチが赤字になってしまうんです、すみません」といった類のトークです。

しかし、使い過ぎるとお客様も「それならもういいよ」となってしまいかねないため、効果的に商談に織り交ぜていく必要があります。

最後は「Treat」。脅しというと抵抗を持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、例えば“期間限定発売”という文言も立派な脅しです。期間限定発売というのは、裏を返せば「この期間以外は特典を受けられません」という脅しの意味が含まれています。

直接的な脅しでなく、オブラートに包んでも充分。

「今週中に決めていただければ、こんなサービスがつきますよ」など、さりげない言い方で使ってみましょう。 このように、MET理論を使うことで、スムーズに商談を進めることができるようになります。

3-3.上司の説得

ビジネスで何か新しいことをやりたい。そのためには、上司を説得しなければ…。というような場面は、少なくないはず。

しかし、自分よりも立場が上である上司を説得するのは一苦労です。そんな時に使えるテクニックをご紹介します。

まず大切なのは、上司のタイプを見極めること。タイプにより、使えるテクニックが変わってきます。 「権威主義的な上司」の場合、“誰が”の部分が大切になってきます。

彼らの重要な判断基準は「誰が賛同しているのか」「誰が言っているのか」。

そこで、有名人、学者などの専門家、雑誌・新聞、人気テレビ番組などを引き合いにして要望を説明してみましょう。

「自分は特別だと思っている上司」は、おだてることが有効。何度も褒めて相手の気分が良くなってきたところで要望を伝えるようにしましょう。 「同調性が強い上司」は、対立を嫌います。

「みんなそうしている」「いま流行っている」という言葉に弱いため、これらの言葉を織り交ぜながら提案を伝えるのがポイントです。

「情に流されやすい上司」には、普段から借りを作っておくと良いでしょう。

何かをされたらお返しをしなくては気がすまないタイプなので、日頃から上司の要求を快く受け入れるようにしたり、お土産や差し入れを渡したりしておくと、要望を出した時にすんなり受け入れてもらいやすくなります。

「数字に弱い上司」には、数字のマジックが有効的です。

こちらの要望に都合の良い形に加工をしたグラフや表、パーセンテージを提示しつつ、やや専門的な数値をプラスして説明することで、比較的スムーズに話が通ります。

このように、上司のタイプにより使えるテクニックは異なります。まずは上司と関係構築を行ない、相手のタイプをしっかり見極めていきましょう。

4.おすすめの本

ここまでにご紹介した説得のテクニック以外にも、さまざまなポイントがあります。さらに理解を深めたい方は、書籍で学んでみるのも手です。数ある書籍の中でも、おすすめの本をご紹介していきます。

すごい説得力:論理的に考え、わかりやすく伝える話し方 著:太田龍樹

ロジカルシンキングと心理学を基にした話し方・聞き方・質問方法を紹介している一冊。

実践的な内容のため、使える会話術を求めている方におすすめです。営業、交渉、プレゼン、会議など、あらゆるビジネスシーンで使えるテクニックが詰まっています。

「困った人」の説得術 著:出口知史、伊東明

ビジネスにおいて、話を聞かない人・こだわりすぎる人・反応が薄い人など、説得をするのが難しい人も多いはず。

そのようなタイプの人を「困った人」とカテゴライズし、どのようにアプローチをすれば効果的かが具体的に書いてある一冊。

さまざまなケースが書かれているので、対面で仕事をする人にとっては、実践で使えるテクニックがたくさん掲載されています。

話し上手はいらない〜弁護士が教える説得しない説得術  著:荘司雅彦

相手の心理をしっかり理解すること、相手が納得しやすい環境・材料を用意すること、相手の決断をサポートするクロージングトークを発すること、この3つを中心に相手の方から喜んで動いてもらう方法を説いている本です。

話術を封印することから始める、という切り口が新しく、学ぶべきことが多い一冊です。

5.まとめ

私たちの日常には、説得をしなければいけないシーンが多々あります。しかし、思ったまま伝えても、上手くいかない確率は高まるだけです。

今回ここでご紹介したテクニックは、少しの心がけで説得の成功確率をグッと高めてくれるもの。

ビジネスシーンではもちろん、日常の人間関係や恋愛などでも使ってみてください。 はじめは上手くいかないこともあるかもしれませんが、使い続けていけば必ず身になり、成果を感じることができるはずです。

ぜひ「説得力」を磨いて、自分の望む結果を手に入れましょう。