『自給自足』というと
食料や衣料、住居などを自分自身で生産または製作する生活と捉えると思うが

僕は最近『経済的自給自足』という考えを持って生活している

例えば、企業を経営するということは
多くの人の力を借りて(レバレッジ)
効率化を測りながら
自分でできないことはできる人に仕事を振り
自分にできることに焦点を当てて
最大のリターンを得るように行動すると思う

これは雇われている人でも一緒で
割り当てられた仕事をこなしているはずだ

餅は餅屋という言葉があるように
たしかに得意な人に任せていくのは
合理的な判断だと思う

しかし『経済的自給自足』という選択肢には
そういった考えがない

『自分にできることをやるだけでなく、
自分が今できないこともできる限り自分で知識をつけながらやる』

という考え方だ

例えば、僕にとって会社の実務(更新業務や会計など)は
得意とするところではないので
専門とする人に任せた方がいい

現に日本で会社経営をしていた時はそうしていた

けれど
海外にきて自分と向き合っているうちに
『自分でできる範囲でおこなって行く方が楽しくて幸せなんじゃないか?』
と思うようになった

経済の世界にいると
ついつい1円でも多く稼ぐことがえらいと思ってしまいがちだし
もっと効率的に、もっとたくさん稼ぐといった発想になってしまう

けれど
果たしてそれが本当に幸せなのか?と考えたら
どうやらそうではないということに気づいたのだ

本来の意味で使う『自給自足』も
効率化とは正反対のところにある考えだろう

面倒臭い思いをして
野菜を育てたり、食事を作ったり、
必要以上の文明の力に頼らずに家事をこなしたり

けれども、やってみるとそれが楽しかったりもする

自然に感謝するようになったり
ありがたみを感じるようになったりする

心の充実感がそこにはある

ビジネスにおいても実は同じで
たしかに今できないことを調べてやるのは効率が悪いんだけど
一つ一つこなしていくと

自分が社会の一員として
つながりながら存在していることに感謝や満足度を覚えるようになる

資本主義は
もともと借金(レバレッジ)をかけて
いまよりももっと経済的に大きなリターンを得るという考えに成り立っているし

個人で言えば、借金をして家を買ったり車を買って
支払いを後回しにしていくものだけど

そんなことをしている間に
本来の満足度はなくなり
生活するためだけにやりたくもない仕事をしたり

身の丈に合わない選択をして、身の丈に合わない仕事をこなそうとして
という悪循環になっている人ばかりな気がする

だからこそ、地に足がつかなく
あっちが儲かると思えばあっちにいき
こっちが儲かると聞けばこっちにいき
根無し草になってしまう

気づいたらなんの知識も技術もない自分になりかねない

僕の考える『経済的自給自足の生活』とは
地に足をつけ
確かな知識と技術を身につけていき
一つの匠となっていくという考えも含まれている

そして自分の手の届く範囲だけで楽しみ
届く範囲のビジネスをしていくという考えである

これは決してこじんまりとまとまるという意味ではない

本当の意味でダイナミックな人生にするために
どこにいっても負けない知識と技術をつけ
どんな人とでも自信を持って話せる自分を作るということでもある

なぜなら、自分の知っている範囲のことであれば
誰よりも知識と経験を積んでいる自分を作って行くということだからだ

自分が何をやっているのか
正確に理解していること

世界一の投資家であるバフェット氏も

Risk comes from not knowing what you’re doing.
リスクはあなたが何をしているか知らない時に起こる

と言っている

自分が知っていることを増やしていくこと
自分が知っている範囲でビジネスをおこなっていくこと

これが僕の考える『経済的自給自足』の考えであり
幸福度を満たしていく方法だ