無料情報提供やクーポン利用などを活用し「何らかのレスポンスがきた消費者にのみ直接的に販売していく手法」であるダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)。
その歴史は古く、世界的に見れば1800年代から一般的に使われてきたマーケティング手法です。
とはいえ、決してダイレクトレスポンスマーケティングが古臭い手法であるということではありません。
むしろ、インターネットが普及した今、このダイレクトレスポンスマーケティングを上手く活用することによって、個人や中小企業でも少ない人数と広告予算で年間数億円〜数十億円の売上(利益)を作ることができます。
『ドモホルンリンクル』さんや『やずや』さんなどの誰でも知っている企業も、このダイレクトレスポンスマーケティングを非常に上手く使いこなして、安定的に大きな売上を作っています。
イメージ広告の類と違い、直接利益に結びつくダイレクトレスポンスマーケティング。今回は、ダイレクトレスポンスマーケティングを上手に活用して、時間や手間をかけることなく利益を得る方法を具体的にご紹介していきたいと思います。
既存のマーケティング手法に限界を感じている方にぜひ読んでいただきたい内容です。
目次
1.効果的なダイレクトレスポンスマーケティングを実践するために覚えておくべき3つのこと
まずは、効果を最大化するために、覚えておくべき3つの基礎知識を紹介したいと思います。
DRMの基本なので、実践にうつる前に必ず目を通してください。これを知っているか、知らないかで、効果がかなり変わります。
マーケット×メッセージ×メディアの3要素
DRMは、3つの要素で構成されています。
それはタイトルにもある通り「マーケット」と「メッセージ」と「メディア」。
この3つの要素が上手に正しく構成できた時、効果は出ます。 まずは、ひとつひとつを理解するところから始めましょう。
一つ目は「マーケット」ですが、これは誰に売りたい商品・サービスなのかということです。商品やサービスの買い手、つまり顧客が誰かと言い換えてもいいでしょう。 効果的なマーケティングを行うためには、この「マーケット」を定めなければ始まりません。
なぜって、手紙を送る相手が決まっていないのに、相手が感動する手紙を書くなんて不可能だからです。
商品・サービスを買ってほしいお客様を明確にしてこそ、響くメッセージを綴ることができるといえます。
では次に「メッセージ」です。これは商品やサービスの「魅力」のこと。
言い換えれば、自分がつかまえたい「獲物(顧客)」に対する、最適な「餌」のことです。
たとえば、美白したい女性に対して、新作の美白化粧品の試供品を渡せば、受け取ってくれるのではないでしょうか。
この美白化粧品の試供品がDRMでいう「メッセージ」です。 最後に「メディア」ですが、これは言葉どおりでテレビやラジオ、新聞、チラシ、Eメール、Webサイト、中づり広告、看板、TwitterやFacebookなどのSNS、YouTubeなどです。
大きく分けるとネットかリアルかになるわけですが、選択肢は無数にあるといえるでしょう。
ではひとつひとつの用語について理解したところで、この3つの要素が正しく構成できなければ効果が出ないということをいくつかの例を使って説明していきたいと思います。
ではまず「マーケット」を間違った例です。ダイエット食品のダイレクトメールを送る際、スリムで健康的で自分のスタイルに自信のある人を対象にしても効果はないでしょう。
正しい「マーケット」は痩せたい人、ダイエットに興味のある人です。
次に「メッセージ」を間違った例はどうでしょうか。高級フレンチレストランの常連である富裕層に、単価の安い大衆居酒屋のサービス券を渡しても見込み客にはなってはくれないでしょう。
続いて「メディア」を間違った例はどうでしょう。
少しでも長生きしたい高齢者にサプリメントを売りたい時、ネット広告を打ってもネット利用者は多くないでしょうから、あまり効果が見込めないのではないでしょうか。 最後に3つの要素が正しく構成されている例を見てみましょう。
飲み屋に向かうサラリーマンの集団に大衆居酒屋のサービス券を繁華街の入口で配布するというのはどうでしょう。
ある程度の効果が見込めそうです。 いかがでしょうか。DRMの3つの構成要素についてご理解いただけたのではないでしょうか。
あなたがDRMを実践する時も、この3つの選び方を間違えないようにしましょう。
ダイレクトレスポンスマーケティング基本の3ステップ
「集客」⇒「教育」⇒「販売」という流れがDRMの基本で、最も効率的なステップとされています。
ひとつひとつのステップについて具体的に説明していきましょう。
【第1ステップ:集客とは?】
DRMにおける集客とは、見込み客を集めることをいいます。
主に無料サンプル、無料メルマガ、無料セミナーへの招待、クーポン、さらには通常よりもかなり安価な商品などを利用し、最初の取引をするのに「抵抗感の少ない提案」をするのがDRMの大原則です。
無料や安さを“餌”にして、会員登録や問合せなどのレスポンスを促します。
そして“餌”を使って「その商品・サービスに興味がある人」、つまり「見込み客」を集めます。
【第2ステップ:教育とは?】
DRMにおいて一番難しいのが、この教育のステップでしょう。
教育というよりは、見込み客との信頼関係を構築するステップと考えればわかりやすいかもしれません。
このステップをおざなりにしたり、飛ばしてすぐに「売り込み」をしたりすると、DRMは確実に失敗します。
普通、信頼していない人から商品は買いませんよね。
たとえば、明らかに怪しい人が訪問販売に来て、何の疑いもなくすぐに購入する人が少ないのと同じ理屈です。
とはいえ、この信頼してもらうというのがなかなか大変。一方で、ここさえクリアすれば、かなりの確率で成約に結び付けることができるといえるでしょう。
なぜなら、あなたが相手にしているのは、既にあなたの商品・サービスに興味を持っている「見込み客」なのですから。
では具体的にどのように信頼関係を構築していけばいいのでしょうか?
売り込みをするのではなく、まずは「見込み客」が欲しいと思っている情報、相手が興味のある情報、相手にとって価値のある情報を提供するところから始めましょう。
たとえば、ニキビ化粧品の無料サンプルを使って集客したとします。
「見込み客」はニキビに悩んでいる人ですから
「ニキビをすぐに改善する洗顔術」
「ニキビができるワケ~できる場所によって理由は違う!?~」
といったテーマのメルマガを送ってみたらどうでしょうか。本気でニキビをなおしたいと思っている方には興味深い内容になっているはずです。
そしてサンプル化粧品やメルマガがきっかけでニキビが改善したら…信頼関係は築かれたといってもいいでしょう。
これが「教育」のステップです。
【第3ステップ:販売とは?】
このステップは直接的に購入へと結び付ける「クロージング」の段階です。既に教育のステップで、あなたの商品・サービスのファンが生まれている状況ですから、比較的販売しやすいはず。
あとは背中を押してあげるだけです。 この手法はセールスレターであることもあれば、商品購入のWebページであることもあるでしょう。
また背中を押してあげる一言は、
「今すぐに商品・サービスを使ったほうが良い理由」
「実際に使ったお客様の声」
「商品・サービスを使うことによるメリット」
「他社との違い」などです。
既にそういった「売り文句」を「教育」の段階で使っている場合には、今だけの購入特典などをつけることで購入を促せます。
ただし購入特典は、長期的な顧客を作りたい場合には、有効な手段とはいえません。
ダイレクトレスポンスマーケティングに不可欠なフロントエンドとバックエンド
フロントエンドとは集客商品のこと、バックエンドとは利益商品のことです。
DRMは、フロントエンドとバックエンドが用意されてこそ成立します。
まずフロントエンドの一番の目的とは、多くの見込み客を集めることです。
だからこそ、無料、または市場価格よりも安価で販売することが一般的。
数を集めることが目的ですから、利益は度外視で、フロントエンド単体でいえば赤字であるケースも少なくありません。
つまり、フロントエンドはバックエンドを売る前提の布石であるといえるでしょう。
次にバックエンドは利益を最大化するのが目的。
そのため、バックエンドは比較的高価で、フロントエンドよりもハイクオリティである必要があります。
たとえば、化粧品の無料サンプルがフロントエンドで、高級化粧品がバックエンドというとわかりやすいでしょうか。
最近「ワキ脱毛」など部分脱毛が無料というキャンペーンを行っているエステが多いですが、これがフロントエンドです。
このキャンペーンに参加したら、おそらく全身脱毛コースなどの利益が見込める商品、つまりバックエンドを売り込まれることでしょう。
DRM成功のカギは、たとえ赤字であってもフロントエンドの商品で見込み客の心を掴むこと。
この段階で商品・サービスのクオリティが低かったり、サポートが雑だったりしてはバックエンドが売れる可能性は限りなく低くなります。
非常に当たり前のことですが、この基本を疎かにしてはいけません。
2.ダイレクトレスポンスマーケティングの効果的な実践方法
基礎知識が身についたところで、実際にDRMを成功させるには何をすればいいのでしょうか?
ここでは効果的な実践方法を5ステップでご紹介していきたいと思います。
最初の章でご紹介した「マーケット×メッセージ×メディアの3要素」の考え方を使ってご紹介してきますので、そちらから読んでいただくとより理解が深まるはずです。
1|誰にダイレクトレスポンスマーケティングを仕掛けるのかを決定する
最初の項目でお伝えしたところの「マーケット」をまずは定めていきます。
あなたの商品・サービスを必要としているのは誰なのか?ということです。
ポイントはできるだけ具体的にイメージすること。性別、年齢、金銭感覚(年収など)、家族構成(既婚か独身か)に加えて、どんな悩みや不満を抱えているかというところまでイメージしましょう。
たとえば、あなたがスポーツジムのオーナーなら、学生も主婦もビジネスパーソンも高齢者もお客様には存在するでしょう。
しかし、これらすべての人に同じアプローチをしてもヒットしません。
「昼間に暇を持て余している40代~50代の主婦。ダイエットをしたいと思っていてジムに通う金銭的な余裕がある」
という「マーケット」を狙うのか、「最近メタボが気になっているので、平日夜と休日に運動をしたいと思っている独身のビジネスマン。
自分に投資できるお金が多分にある」という「マーケット」を狙うのかでDRMの手法は変わってきます。
複数の「マーケット」が想定できる商品・サービスだとしても、まずは1つの「マーケット」に絞ってください。
その「マーケット」を狙ってDRMが失敗したら、それはベストな選択ではなかったかもしれないので、しっかりと検証した後、別の「マーケット」を狙ってDRMを再度仕掛けましょう。
2|「マーケット」に対して最適な「メッセージ」を決める
より多く集客するためには、商品・サービスを購入する可能性のある「見込み客」に対してどれだけ魅力的な「メッセージ」を送れるかに懸かっています。
「メッセージ」を決める際にポイントとなるのは、見込み客にとってどれだけリスクを減らせるか。
つまり商品購入までに感じる不安や悩み=壁を取り払ってあげるということ。
「商品・サービスは自分に合わないのではないか?」「商品・サービスは本当に効果があるのか?」「結局すごくお金がかかるのではないか?」
といった不安・悩みが一般的です。こうした壁を無料もしくは安価で取り払うことができれば、見込み客は顧客に一歩も二歩も近づきます。
たとえば、無料サンプルやクーポンなどは利用する側にとって金銭的なリスクはゼロです。
サンプル商品の配布がよく行われている化粧品でいえば、自分の肌に合っているのかといった見込み客が購入までに抱えるであろう不安も払しょくできます。
非常に魅力的で効果的な「メッセージ」といえるでしょう。先ほど少しご紹介した「ワキ脱毛無料キャンペーン」も化粧品サンプルの考え方に近いです。
こうした「お試し」ができない商品・サービスの場合は、見込み客が抱える不安や不満を解消できる小冊子やメルマガを送るという手があります。
たとえば求人広告サイトを運営する企業であれば「失敗しない人材採用とは?」といった採用ノウハウの詰まったメルマガを無料で配信すると、見込み客からレスポンスが得られるかもしれません。
3|有効な「メディア」を選ぶ
テレビやラジオ、新聞、チラシ配布、折り込みチラシ、メルマガ、Web広告(バナーやアフィリエイトなど)、中づり広告、看板、TwitterやFacebookなどのSNS、YouTube、名刺…メディアは多数あります。
この中から、これまでに定めてきた「マーケット」と「メッセージ」に適したメディアを選びましょう。
もちろん予算も考えた上で決めてください。
ここでのポイントは「マーケット」と「メッセージ」とのバランスがとれていること。
「マーケット」が10代の若者なのに、経済新聞の広告に出稿しても意味がありません。
TwitterやLINEなどのSNSやインターネット広告が有効でしょう。
4|セールスコピーを考える
次に実際の広告に載せる「セールスコピー」を考えましょう。
ここでポイントとなるのは「なぜ今買うのがオトクなのか」「競合他社との違い」「実際に使っているお客様の声」といった商品・サービスの魅力をしっかりと伝えることです。
この工程はもちろんプロに任せても構いません。
自分で書くという方は「センス不要! 売れるセールスコピーを書く秘訣」の記事を参考にしていただければと思います。
5|効果検証、改善する
実際に広告を出してみて、広告費を回収できるだけの利益が出なかったら、改善を行う必要があります。
たとえば、無料サンプルなどの「メッセージ」に対するレスポンスがゼロ、つまり見込み客を1人も集客できなかった時には「メッセージ」そのものを変える必要があります。
狙っている「マーケット」に対して、その「メッセージ(餌)」は全く魅力的ではないということだからです。
数件のレスポンスはあったけれど購入までに至らなかったのであれば、セールスコピーを見直す必要があるでしょう。
おそらく信頼関係を構築できていない可能性が高いです。まだまだ情報不足であなたのことや商品・サービスのことを信頼してもらえていないということでしょう。 DRMは一朝一夕では成功しません。
ですが、お客様の反応を見ながら改善を繰り返していけば、必ず利益につながります。諦めることなく、改善を繰り返していきましょう。
3.ダイレクトレスポンスマーケティングの成功例
実際にあった成功例をご紹介します。あなたの扱う商品・サービスに当てはめてご覧いただければと思います。
いずれの例も、お客様の不安や不満をしっかりと見据えた上でDRMを展開しているのが印象的です。
3-1.無料サンプルでリピート顧客を作るダイレクトレスポンスマーケティング
DRMでの成功例といえば、ドモホルンリンクルで有名な再春館製薬を忘れてはいけません。
「初めての方にはお売りできません」のフレーズが印象的なTVCMを中心に、無料サンプルで集客し、リピート受注につなげていると言います。
何と同社の売上の9割がリピート顧客によるものだそうです。
具体的なDRMの手法をご説明していきましょう。
1|TVCMなどで集客する
「たった3日間では何もわからないと思っていませんか?」
「年齢化粧品ならではの違いを実感してください」
「初めて感じるハリとうるおい、その手応えにきっと胸が高鳴るはずです」
といったナレーションと共に無料お試しセットを使っている女性の映像が流れます。
そして最後に無料お試しセットのお申し込みは…と電話番号が大きく映し出されるというCMです。
これがドモホルンリンクルの最もスタンダードなCMの形。
サンプルが無料なのはもちろん、送料も無料ですから、商品が気になった人は思わず電話してしまうのではないでしょうか。
何のリスクもありませんから。事実、ドモホルンリンクルには年間35万件以上の無料お試しセットお申込みがあるそうです。
2|商品の良さについて教育していく
無料お試しセットには、商品の効果的な使い方や製品についてのこだわり、ドモホルンリンクルの歴史、実際に長年使っているお客様の声などがまとめられた小冊子がついています。
こうした小冊子によって「3日間だけと言わず、継続的に使ったほうが良いですよ」という教育をしていくわけです。
3|販売
ドモホルンリンクルは、見込み客に対してしつこい勧誘はしないそうです。
「使用感を伺いたい」といった電話を1度かけるだけとのこと。
しかし、この1回の電話でしっかりと購入につなげるノウハウがあるようです。
単純に「買いませんか?」というお話ではなく、試した感想や購入にいたるまでの不安などをヒアリング。
「営業」というよりは「相談にのる」というイメージの内容とのこと。
効率ではなく顧客満足を重視しているため、1回の電話にかかる平均時間は10分を超えています。
こうして、年間35万件のうち、20%が購入につながり、そのうちの65%がリピートをするそうです。
さらに再リピートするのは88%だというから驚き。非常に高いリピート率を実現しているDRMです。
信頼関係づくりに重点を置いたダイレクトレスポンスマーケティング
次にご紹介するのは、マンションディベロッパーの事例です。
マンションはかなりの高額商品ですから、見込み客の獲得から信頼関係を構築するまでが勝負。
その信頼関係づくりに注力してDRMを行った成功例をご紹介していきましょう。
一般的にマンションは近隣住民に広告を出し、モデルルームへの集客をはかり、モデルルームで営業活動を行っていくという流れですが、この集客後に一工夫加えたのが今回の事例。
モデルルームに来てくださったお客様に対して、はがきもしくはWebサイトへのアクセスで会員サイトへの入会を誘導します。
この会員サイトでは、このマンション単体ではなく、近隣エリアに同社が保有しているマンションの情報も見ることができ、もちろん同社側からオススメ物件を推薦することも可能。
訪問したモデルルームのマンションが購入まで至らなくても、このWEBサイトがあれば、関係はそれで終わりではありません。
「近いうちにマンションを購入したい」と考えている見込顧客と同社をつなぐツールとなります。
さらに既に契約を決めた人たちとの関係づくりにも一工夫がありました。
未入居者、入居者それぞれをステイタスで分けて、それぞれ専用にコミュニティサイトを開設。
未入居者には入居までの不安を解消できるような情報を提供したり、入居者にはマンションライフを豊かにするような情報を配信したりしました。
結果、従来よりも見込み客からの成約率が高まり、未入居者からのキャンセルも大幅に減ったといいます。
見込み客から未入居者、入居者までステイタス別に信頼関係づくりをすることで、接点のあったすべての顧客の満足度をアップすることができ、結果同社のファンを作ることに成功した事例です。
4.ダイレクトレスポンスマーケティングの失敗例
ここでは失敗例を2つ紹介していくのですが、共通しているのはお客様の視点に立ったDRMができていない点。
そもそも「マーケット」を勘違いしていたり、第二のステップである「教育」つまり「信頼関係の構築」をすっ飛ばしてしまっていたりします。
ぜひその点に注目してご覧ください。
最もありがち!? 売り込みすぎのダイレクトレスポンスマーケティング失敗例
大手学習塾のDRM失敗例です。夏休み期間の3日間短期集中講座をワンコインの500円で開講。実際に授業を体験してもらうことで、質の高いサービスを知ってもらい、新規顧客獲得につなげるつもりでした。
しかし、ワンコインの短期集中講座には申し込みが100件近くあったものの、実際に塾に入会したのは1名のみ。
失敗の要因は2つありました。 まず一つ目は短期集中講座に関するチラシを配布したエリアが広すぎたこと。
3駅にまたがるエリアに配布したため、既に別の塾に通っていたり、長期的に通うには遠すぎたりといった理由で入会に至らなかったケースが多く見られました。 次に入会に向けた営業電話を連日行ったこと。
これが一番の失敗要因でした。何と1つの家庭あたり、10件も電話をかけただけでなく、電話の内容も入会を迫る内容。
完全に「信頼関係を築く」という「教育」の段階を飛ばしてしまっていました。
今ではその失敗を糧に、短期集中講座を開講した後に入会説明会を行ったり、受講者やその保護者にアンケートを行ったりすることで信頼関係の構築に目を向けています。結果、入会者数が格段に増えたとのことでした。
そもそもレスポンスが集まらないダイレクトレスポンスマーケティング失敗例
化粧品メーカーの失敗例です。基礎化粧品を中心に製造販売してきた同メーカーが、サプリメントなどの健康食品市場に参入することになりました。
基礎化粧品はドラッグストアやスーパーへの卸売と通販で利益を上げていたため、まずはこれまで通販で基礎化粧品を購入してくれていた顧客全員に向けてDRMを展開することに。
内容は、無料サンプルをプレゼントするという内容のDMを顧客に送るというもの。
しかし、レスポンスはほとんどありませんでした。 その要因は、全顧客に送ったという点。
基礎化粧品は20代~30代を中心に50代まで顧客がいましたが、新しく開発したサプリメントをどの層がどんなふうに必要としているのかを考えないまま、DMを送っていました。
アンチエイジングを目指したサプリも、ダイエットを目指したサプリも、1日の栄養素を手軽にとれるサプリも、特に種類で分けずに、単に「サンプルプレゼント」という情報を送付。
そのため、そもそも「無料サンプルを試してみたい!」という気持ちにさせられてなかったのが失敗の要因で、レスポンスを集めることができませんでした。
現在はサプリメントの種類別にDMを作り、それぞれのターゲットに向けてDMを送り分けています。そうすることでレスポンス率は飛躍的に高まったそうです。
5.ダイレクトレスポンスマーケティングをもっと深く知る
効果的なDRMを実践するために、DRMとは何なのか?を深く掘り下げていきたいと思います。理解を深めれば深めるほど、DRMを進めていく中で迷った時の指針になるはずです。
ダイレクトレスポンスマーケティングの概要
ではそもそもDRMとは何でしょうか?
広告を出して、何らかのレスポンス(問合せなど)をしてくれた見込み客に対してのみクロージングをしていくマーケティング手法のことです。
イメージ広告をはじめとした多くのマスマーケティングとは違い、商品・サービスを買ってくれそうにない顧客にムダな広告費を使わなくて済むので非常に効率的なマーケティング手法といえます。
現在はリアルでもネット上でも多くのダイレクトレスポンスマーケティングが行われています。
たとえば、リアルでいえば、度々事例として紹介している化粧品などの無料サンプルの配布。
またファミリーレストランなどでもらえる割引券や宅配ピザなどのチラシについているクーポンも、典型的なDRMでしょう。
さらにテレビCMにある「お申込みは電話番号○○○-○○○○へ!」というような手法も、DRMのひとつです。
ネットでいえば、多くのブログやWEBページ、SNSには無料のメルマガ登録などを促すバナーがついていますよね。
あれもDRMです。WEBそのものが見込み客を集客するための巨大ツールといってもいいかもしれません。
そうして集客した後、メルマガなどで「教育」を行い、実際の販売へとつなげるのです。
最近では1つのページでDRMの3ステップすべてを行う、WEBページを装った“広告”も存在しています。
いわゆる「アフィリエイト広告」ですね。
これもDRMの手法です。このようにネットとDRMの親和性は非常に高く、企業ではなく個人でもDRMによって収入を得ることが普通にできるようになってきているため、再注目されています。
ダイレクトレスポンスマーケティングの歴史
広義でいうダイレクトレスポンスマーケティングは、今から100年以上前から存在します。
当時からダイレクトレスポンスマーケティングと呼ばれていたわけではないでしょうが、電話もネットもなかった1800年代のことです。
最初にDRMを行ったのはアーロン・モンゴメリー・ワードだといわれています。 昔、田舎の農民たちが日用品を買うには、かなりの遠出が必要でした。
しかも日用品の仲介業者が多数介在していたため、値段も高かったといいます。
当然、ネットはもちろん、今でいう何でも揃う大型店などもありませんから、都会まで出ていろんなお店をまわって日用品を揃えていったわけです。
ここに疑問を持ったモンゴメリーは、もっと日用品を安く手軽に手に入れられるようにと、メールオーダーによる直接販売を考えました。
カタログで欲しい商品を選んでもらい、手紙で注文してもらうという手法です。これがダイレクトレスポンスマーケティングの始まりでした。
その後、特に国土の広いアメリカでは、小売店での販売網に限界があったため、1920年代には「通販」という形が浸透していたと言われています。
新聞に広告を出し、はがきで商品購入を申し込むという手法です。これはモンゴメリーの手法を発展させた形でしょう。
それと同じころ、アメリカでは一般家庭にも電話が普及し始めており、さらにダイレクトレスポンスマーケティングは発展します。
電話による問合せや商品購入の申し込みができるようになったためです。
1961年には世界有数のダイレクトマーケティングエージェンシーであるワンダーマン社の創立者、レスター・ワンダーマンが「科学的(再現性のある)な広告原理に基づいた効率的な販売方法」として提唱。従来の「伝えること」が目的であった広告との違いを明言しました。
日本においては1998年ごろ、経営コンサルタントの神田昌典氏が日本の市場に合った形でDRMを日本に広めます。
ルートセールスが当たり前だった当時の日本にとってDRMを駆使した手法は即効性があるとして、数多くの企業が導入しました。
そしてこの手法はインターネットの普及と共にさらに注目されるように。
購入履歴や検索履歴などから、より顧客一人ひとりのニーズを企業側が把握しやすくなった今、今後さらにDRMは進化を遂げていくのではないでしょうか。
ダイレクトレスポンスマーケティングのメリット
【1】興味のある人を対象に販売できるから、打率が高い 無料サンプルの申し込みなど、何かしらのレスポンスがあった見込み客にだけ販売できるため、当然、売れる確率が高いといえます。
【2】効果測定・改善がしやすい いくらの広告費用をかけたら、どれくらいのレスポンスがあり、何件の成約につながったというのが数字で明確にわかるため、効果測定が容易です。さらに顧客と直接やりとりできるため、客側が何を望んでいるのか判断しやすく、どう広告を改善していけばいいかもわかりやすいのが特長です。
【3】少額からテストできる マスマーケティングは多額の費用がかかりますが、DRMはまず効果を見るために少額だけ投資してお客様の反応を見るということが可能です。そして効果の出たDRMだけを広く行えばOK。非常に費用対効果が良い手法です。
6.ダイレクトレスポンスマーケティングを自分や自社で活用したい方へ
ダイレクトレスポンスマーケティングによって、個人や中小企業でも年間数億円〜数十億円という売上を上げられることは、すでにお伝えしている通りですが、実際
- どこからはじめていいのかわからない
- やっているんだけど、思っているような売上につながらない など
お困りであれば、コチラから僕が活用しているダイレクトレスポンスマーケティングの情報を提供していますので、ご覧ください。
実際に僕自身も始めて半年で月1300万円稼いでいますし、僕のコンサルティング先の会社さんも数人で年間数億円の利益を出している企業がたくさんあります。
結果を出すにはc、緻密に練られた戦略が大切ですので、ぜひ学んで売上アップをしてください。
7.おすすめの本
究極のマーケティングプラン シンプルだけど、一生役に立つ!お客様をトリコにするためのバイブル|著作・ダン・ケネディ
ダイレクトレスポンスマーケティングの権威であるダン・ケネディが教える儲けの原理・原則。
マーケティングというタイトルではありますが、DRMの実践的なハウツー本です。初心者でも非常にわかりやすいだけでなく、読み進めていくうちにどんどんDRM実践のアイデアが浮かんでくると評判。また新規顧客の獲得はもちろん、顧客をリピーターにするためのノウハウが満載です。
すぐに効果的なDRMを実践したい方には必読の1冊です。
お金をかけずにお金を稼ぐ方法|著作・ジェイ・エイブラハム
全米でナンバーワンのマーケティングコンサルタントと謳われる著者が書いた、売上増のためのアイデアが詰まったダイレクトマーケティングの教科書といっていい1冊。
クライアントを増やしビジネスを拡大する方法、ノーと言わせず顧客をつなぎとめる方法、ダイレクトメールに注目させる方法、インターネットビジネス運営の方法などが具体的に書かれています。
ただし、こちらは現在絶版となっているため、中古で手に入れようとすると少し割高。
値段が気になる方は、別の翻訳者による「ハイパワー・マーケティング(ジャック・メディア)」を購入されるといいかもしれません。
ただ、その翻訳内容が賛否両論であるため、できれば「お金をかけずにお金を稼ぐ方法」もしくは原典を読むことをおすすめします。
あなたの会社が90日で儲かる!―感情マーケティングでお客をつかむ|著作・神田昌典
DRMの手法を日本市場に合った方法「感情マーケティング」として確立した著者が送るダイレクトレスポンスマーケティングの教科書。
無駄に時間をかけずに飛躍的に売上を伸ばす方法が実践的に書かれている名著です。
10年以上前の本ではありますが、この本を読んで感情マーケティングを実践した会社は増え続け、今では5000社と言われています。
8.まとめ
売上増・利益増に直結するマーケティング手法であるDRM。
もしあなたが企業経営者や店舗経営者であれば、すぐに使えるものばかりです。
検証と改善が前提のマーケティングですので、もしかしたら即効果がでないかもしれません。
しかし、改善を続けていけば、必ずマスマーケティングでは期待できない効果を実践できるはず。ぜひ今回の記事やおすすめ本を参考に実践していただければ、幸いです。
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