あなたは、自分の行動をすべて自分の意思で決めていると考えているでしょうか。

近代の精神分析学の父であるフロイトは、夢に着目することで人間の無意識の力に気づき、それが日中のさまざまな行動にもあらわれることを解明しました。

私たちは自分が思っている以上に、潜在的な感情や思考に、行動を促されたり制限されたりしているのです。

あなたが日頃恋や仕事やダイエットなど、いろいろうまくいかないなと悩んでいることは、実はよいセルフイメージを持つことで好転させることができるかもしれません。

今回は、自分の潜在意識を意識し働きかけ、あなたの人生を成功へ導くことのできるセルフイメージの力についてご紹介したいと思います。

目次




1.あなたのセルフイメージは肯定的or否定的| チェックリスト

  • 自分に自信が持てない
  • 人前に立つことが苦手だ
  • 新しいことに挑戦するのが億劫だ
  • 友達が少ない
  • 悲観的になりやすい
  • 失敗することが怖い
  • 自分や周囲の人間を信頼できない
  • 優柔不断である
  • ストレスに弱い

以上のようなことが多く当てはまる人は、セルフイメージを改善することで、仕事やあらゆる人間関係がうまくいくようになる可能性が高いです。

2.セルフイメージとは

セルフイメージとは、自分自身に対して持っているイメージのことです。

自己評価ということもできるでしょう。セルフイメージは基本的な思考の枠組みとなります。

つまり、何かを決めたり行動したりするとき、人間はその枠組みの範囲内でしか動くことができないのです。

例えば、「私は明るく誰にでも友好的な人間だ」というセルフイメージを持っている人は、誰かと話すときにもそれが単に態度や雰囲気ににじみでるだけでなく、コミュニケーションの際に生じる細かな判断も、無意識のうちにそうしたイメージに結び付くように導かれていき、結果として相手もそう感じるようになります。

反対に「私は人と話すのが苦手だ」というセルフイメージを持っている人は、本当に人と話すことが難しくなっていってしまいます。

人間は心のうちにある自分に対するイメージにしたがって、無意識のうちの行動を選択してしまっているのです。

3.セルフイメージ(思い込み)の罠

セルフイメージの範囲内でものごとが決定されるということは、そのことによって自分の可能性を狭めてしまっている可能性があります。

「失敗したらどうしよう」

と失敗する自分というセルフイメージを抱いたままでは、もしその人に成功する可能性があったとしても、結果として失敗の方向へ思考と一緒に行動も引きずられてしまうのです。

例えばダイエットしているにもかかわらず、どうしても暴飲暴食がやめられなかったとします。

それは心の中で「どうせうまくいかない」という「ダイエットに失敗するというセルフイメージ」が無意識の裡にあるのかもしれません。

4.セルフイメージを変えることのメリット

セルフイメージを変えることは、日常のあらゆるシーンで有効に働きます。

例えば恋愛では、「私は異性から愛される価値のある人間だ」というセルフイメージを持つことによって、多くの出会いを引き寄せ、幸せな恋愛に結び付きます。

仕事でも「私はうまくできない」というネガティブなイメージを消して、成功する自分をイメージすることで、実際に仕事がいいほうに向かうというケースは多くあります。

スポーツ選手は、自分がうまくいったフォームを何度もイメージすることで、実際に本番でそのフォームができるようになって、試合に勝てるというのをよく耳にします。

また、ダイエットにも有効です。自分が「こうなりたい」と思う有名人などの写真を部屋に張り、自分がその人のように美しいプロポーションを持っている姿をイメージしてみましょう。

そうすることで、ダイエットをする際にも、心身ともにその理想へ向かって変化するので、ダイエットが成功しやすくなるのです。

5.否定的なセルフイメージを変えるためのトレーニング法

1|自分のよいところを見つける

何よりも大切なことはそれは自分で自分を褒めてあげることです。

自分のことを、何の長所もなく、とるに足らない人間だと思っている人はいないでしょうか、いいえそんなことはありません。

それはあなたが自分のよいところを見つけてあげられていないだけなのです。

自分が短所だと思っているところは、考え方次第で長所に変えてあげることができます。

例えば「引っ込み思案な性格」は「繊細で他人のことを慮ることができる」あなたなのかもしれません。

自分の性格を肯定的受け止めてあげることで、自分の理想のセルフイメージを作りやすくなるでしょう。

2|自分の理想とする具体的な人物をイメージする

あなたのなりたい人物像をイメージしてみましょう。

これは著名人やあなたの身近にいる人でも良いです。

ぼんやりとした人物像ではなく、実在する具体的な人を思い浮かべるとよいでしょう。

その方がセルフイメージも作りやすくなります。その人物と自分自身を重ねることによって、日々の考え方や行動がその人物に即したものとなり、結果としてその人物に近づくことができるのです。

毎日欠かさずイメージして、自らの思考を習慣づけることが大切なので、部屋にその人のポスターを貼るなどして、理想の人物に近づいている自分をいつでもイメージできるようにしてみましょう。

6.おすすめの本

『思考は実現化する』著|ナポレオン・ヒル

500人以上の成功者にインタビューをした著者が語る成功哲学の本です。

「人間は自分が思った通りの人物になっていく」すなわちタイトルにある「思考は実現化する」ということに気づいた著者による自己啓発本です。

『ザ・シークレット』著|ロンダ・バーン

「引き寄せの法則」で有名な著者の代表作です。不幸も幸運も、あなたの思考が引き寄せているのだということを、さまざまな成功者のコメントを引き合いに出しながら、ひも解いていきます。

『マーフィー 欲望が100%かなう一番の方法』著|ジョゼフ・マーフィー

セルフイメージ提唱者として世界的に有名なマーフィーの哲学の入門書です。

毎日「潜在意識」に働きかけるトレーニングの実践方法など、ポジティブなセルフイメージの作り方をアドバイスしてくれます。

夢を叶える自分の姿を繰り返しイメージすれば、いずれ必ず実現するというメッセージが伝わります。

『嫌われる勇気』著|岸見一郎 古賀史健

最近最注目されているアドラー心理学を下敷きに、自分の行動がいかに思考に縛られているのかを解説し、客観的に自分を見つめて取り戻すための思考法を示唆した話題作です。

私たちはいつも他人からの目を気にしてしまいますが、他人からの評価や自分へイメージを変えることに固執するのではなく、自分の自己評価をもとになしていく選択に自信を持とうとこの本は励ましてくれています。

ネガティブなセルフイメージから脱却できない人にお勧めです。

7.まとめ

自分に対する評価やイメージをあまり真剣に顧みたことがない人が多いかもしれませんが、実は潜在的なセルフイメージは、些末な日常生活から人生全体にまで、私たちの行動をいつの間にか決定づけている重要なものなのです。

自分の肯定的なセルフイメージを持つことで、人生を好転させていった人も少なくありません。実践するのにもあまり手間がかからず簡単に始められるのもよいところです。

今置かれている環境に悩んでいる人や、自分を変えたいと思っている人はぜひ試してみてください。